梅雨に時期も近づき雨の日もだんだんと増えてきました。
雨が降っている日にふと窓の外を眺めると庭にある石の表面や隙間に苔が生えているのを見てどこかしら風情を感じるものがありました。
植物としての苔
苔は古くから私たち日本人にとって特別な植物として捉えられています。
日本人なら必ず知っている歌にそう刻まれています。
それは国歌にもなっている「君が代」です。
「君が代」のもとになった和歌で「古今和歌集」にはこのような歌が詠まれています。
「わが君は千代に八千代にさざれ石のいはほとなりて苔のむすまで」
これを現代語訳すると「あなたには、あの小さな石が大きな岩となりそこに苔が生えるまでの長い間、長生きして欲しい」という意味が込められている。
この苔は「永続性」つまり「積み上げた歴史」、「時間の流れ」を表しているといえる。
私たち日本人はこのような景色をこよなく愛する民族と言ってもいいのではないだろうか。